草生栽培ってなに?
伊藤農園の畑ではみかんを「草生栽培」という栽培方法でみかんを育てています。
「草生栽培」とは土壌に下草を生やさない「清耕栽培」に対して、除草剤などを使用せず、あえて雑草などを生えさせた土壌でみかんを育てる栽培方法です。
草生栽培のメリット① 日差しのダメージから土壌を守ってくれる
土壌を草で覆うことで夏の強い日差しを緩和することができ、土壌の温度が過度に高くなるのを防ぎます。街中でも夏場のアスファルトと芝生の上では温度が全然違いますよね。
土壌の温度を適温に保つことで、根に負担をかけないので、木に優しいのです。
草生栽培のメリット② 土を耕してくれる
草生栽培を行うと、土壌を団粒化してくれます。
団粒化というのは、木の根が腐葉土や土内の微生物等の条件が合わさって、土を団子状にしてくれる現象です。
団粒化した土は土内に十分な通り道があるので、空気を土に含ませてくれたり、水の通り道ができることで保水性・排水性ともに高くなります。
草生栽培のメリット③ 除草剤などを使わないので木に優しい
除草剤は木の幹などにかけても大きな影響はありませんが、木の根の先端の細い部分などは幹に比べて弱いため除草剤を使う
ことで木の根を弱めてしまう可能性があります。
草生栽培は草を薬などを使ってからすのではなく草を刈ったり、倒したりします。そのため木にも優しい栽培方法なのです。
伊藤農園の取り組み
15年ほど前から伊藤農園では草生栽培に取り組んできました。
除草剤をまくと、草が枯れている期間が長いので作業としては負担が軽くなります。
しかし、伊藤農園ではよりおいしいみかんを提供するために手間暇かかっても草生栽培に取り組むことを決意しました。
当初は不慣れなこともあり、みかんの木が草でおおわれてしまう事もありましたが、工夫と努力を続けて草刈りの技術を向上しこの生産方法を確立してきました。
さらに、近年では新たな取り組みとして、草を刈るのではなく長いカマで草を倒す方式を試行しています。
草刈り機を用いた作業でみかんの幹や土から出ている根を傷つけることがあります。しかし、この方法ではみかんの傷をつけるリスクを減らします。また、下草対処の時間を短縮するだけでなく、倒れた草が日光を遮って新しい草が生えるのを抑制し草処理にかかる時間の短縮になります。