みかんな豆知識

デコポンと不知火の違い

今回は、デコポンと不知火の違いについてご紹介♪

目次



・1.みかんの品種の「不知火」って?
・2.デコポンと不知火は別物?
・3.デコポンを名乗るための条件とは?
・4.なぜデコポンはそんなに甘くなるの?
・5.おいしい不知火の見分け方は?
・6.不知火の他にも名前がある?!
・7.自宅での果実の保存の仕方は?
・8.不知火やデコポンの栄養は?
・9.買ってきた不知火を追熟させる方法!
・10.伊藤農園での柑橘の取り扱い
・11.関連記事


1.みかんの品種の「不知火」って?

知火(しらぬい)とは、清見オレンジと中野3号ポンカンをかけ合わせて誕生したみかんの一種のことを指します。
果実の頭部がぽこっと盛り上がっているようなユニークな形をしているのが特徴です。

不知火のネーミングは、熊本県の地名「不知火町」からつけられています。
熊本県宇土郡不知火町(現在は宇城市)で栽培されていたので、地名がそのまま果実につけられました。

不知火の旬の時期は、2月中旬から4月上旬頃で、果汁たっぷりでジューシーな味わいが人気の果実となっています。
みかんのように、皮を手で剥けて、皮ごと食べられるので、手軽に食べられる柑橘類としても知られていて、1つあたり200~300gと大きさもあるので、食べ応えも抜群の果物です。

温州みかんよりもふたまわりぐらい大きく、苦みも少ないと言われているので、お子さまからご年配の方まで幅広く食べて頂くことができます。

2.デコポンと不知火は別物?

不知火とよく似た見た目の果物にデコポンがあります。
どちらも果実の頭部が盛り上がっていて、見た目で違いを図ることはできません。
それもそのはず、デコポンと不知火は同じ品種の果物なのです。

実は、不知火というのはみかんの品種の名前です。
そして、デコポンというのは不知火の中でも限られた条件を満たしている果実だけが名乗れるブランド名という扱いになります。

ちなみに、デコポンは熊本農協の登録商標で、全国のJA(農業協同組合)が出荷するものにだけ使用できるというルールが定められています。
そのため、デコポンを名乗れる条件が果実に揃っていたとしても、JA以外の生産者が出荷する場合は、デコポンを名乗れず、不知火の名前で流通していることもあるのです。

つまり、デコポンと不知火は同じ品種の仲間ですが、JAが出荷する特定の条件を達しているものだけがデコポンの名前で市場に出回るということになります。

3.デコポンを名乗るための条件とは?

デコポンと不知火の違いは糖度です。
デコポンは不知火と比べて、甘いのが特徴です。

デコポンと名乗るための条件は、糖度13度以上で酸の割合が1%以下と決められています。
そこに、JAが出荷するかどうかということも加わります。

この2点の条件を満たした不知火の中の果実が、デコポンという名前で出荷されることとなります。

4.なぜデコポンはそんなに甘くなるの?

同じ不知火の品種なのに、なぜデコポンはそこまで甘くなるのかというと、その秘密は「寝かせる」といった工程にありました。

デコポンは収穫した時点では水分量が多く、酸味も強い状態です。
そのままではデコポンの特徴の甘さが引き出せないので、収穫したものを約1ヶ月ほど生産者は貯蔵を行います。
どのぐらいの期間を貯蔵させるかは決まっていないので、生産者の裁量で決まってきます。

しっかりとした甘さが出てくるまで、デコポンをじっくりと寝かせることで、独特なジューシーな甘さのある果実ができあがっていきます。

最近では、デコポンの中でも更にブランドデコポンも登場し、糖度が26度もある驚きのデコポンも誕生しているようです。

5.おいしい不知火の見分け方は?

デコポンと名乗れるぐらい酸味が少なく、糖度が高くてもJAが出荷を行わなければデコポンの名前は使えません。
しかし、名前が使えないだけで、デコポンと同じぐらい甘くおいしい不知火も市場に出回っています。

では、デコポンのように甘くておいしい不知火を買いたい場合、どのように見分けたらいいのでしょうか。

その見分け方のポイントは、
・皮の色が濃くてくすみの少ないもの
・皮にハリやツヤがあるもの
・ずっしとした重さのあるもの
などが挙げられます。

デコポンといえば見た目に特徴がありますが、ぽこっと膨らんでいる部分の違いには特に注目をしなくても大丈夫です。

ちなみに、デコポンという名前でも全てのデコポンに膨らんでいる部分があるわけでもありません。
発芽から開花時期まで昼夜の温度差が15℃以上の差があると膨らみが出てくるといった説もありますが、ふくらんでいるからおいしいとか、香りがいいとかの差が出るわけではないので、皮と果実の重さで甘くておいしい不知火を見分けていきましょう。

6.不知火の他にも名前がある?!

不知火という名前は熊本の地名なので、熊本の果実というイメージが強くなってしまいますよね。
果物の生産が始まったのは不知火町ですが、今では他の地域でも生産が進んでいます。

不知火町以外で獲れた場合、愛媛では「ヒメポン」、静岡では「フジポン」、広島は「キヨポン」、徳島は「ポンダリン」などと呼ばれることもあります。
呼ばれ方は違えど、元々は同じ不知火なので、基本的には同じ果物と思って間違いはありません。

7.自宅での果実の保存の仕方は?

不知火の旬は気温が低い時期なので、冬場なら冷暗所に置いて保存することが可能です。
気温が上がってきたら、野菜室に入れるなど冷蔵保存に切り替えましょう。

柑橘類は乾燥すると味や鮮度が落ちていってしまうので、果実が乾燥するのを防ぐために、1つずつラップに包んだり、ナイロン袋に入れるなどして乾燥対策を行ってみてください。

冷蔵庫内は乾燥しやすい環境なので、しっかりと乾燥対策を行わなければいけませんが、適切に管理ができれば、冷蔵保存でも1~2週間程度は保存が可能となります。

8.不知火やデコポンの栄養は?

不知火やデコポンは、ビタミンCの含有率が非常に高いことで知られています。
2個程度食べれば、成人1日分のビタミンCの必要量を摂取することができます。

ビタミンC以外にも含まれている栄養素は、
・クエン酸
・β-クリプトキサンチン
・カリウム
・ペクチン
などと大変栄養価の高い果物となっています。

クエン酸は、疲労回復効果があることも分かっているので、生活に上手に取り入れてリフレッシュを図っていきたいですね!

9.買ってきた不知火を追熟させる方法!

スーパーに並んでいる不知火やデコポンは既に熟しているものが多く、そのまま食べても甘くておいしいと感じるものがほとんどですが、稀にまだ熟しきっておらず、酸味が強い場合もあります。

そんな時は、ご家庭で追熟を行ってみましょう。
追熟の方法はとても簡単です。

風通しのいい場所で1週間から10日ほど寝かせるだけです。
そうしていくうちに、余分な水分が抜けて、甘さがギュッと詰まった果実になっていきます。

また、寝かすのが待てず、どうしても今すぐ食べたいという場合は、
・皮の上から果実を揉む
・果実をレンジで30秒ほど温める
といった方法もあります。

皮の上から果実を揉むと、その刺激でクエン酸の量が減ると言われています。
同様に、果実を温める方法も加熱することで果実に含まれる酵素が働いて、酸味成分のクエン酸が分解されて、果実の甘さが増して食べやすくなるのです。


いかがでしたでしょうか?
皆さんも是非、当記事を参考に不知火やデコポンをおいしく食べてみてくださいね。

10.伊藤農園での柑橘の取り扱い





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