はやかSetoka

目次

目次

1.はじめに
2.特徴
3.はやかの名前の由来
4.収穫時期・食べごろ旬の時期
5.流通
6.栽培方法
7.栄養成分
8.おいしい食べ方と保存方法
9.伊藤農園での取り扱い/関連記事

上記、テキストをクリックすると項目にジャンプします。

１.はじめに

はやかは、みかん科の常緑樹であり、柑橘類に分類される品種です。
長崎県の果樹試験場口之津支場において、品質が良く果皮と果肉が分離しにくい温州みかんの品種「今村温州」に、
香り及び食味に優れるポンカンの品種「中野３号ポンカン」を掛け合わせることで1972年に誕生しました。

その後、長年にわたる試験と選抜を経て、1989年に「早香（はやか）」と命名され、
「みかん農林6号」として品種登録されています。
つまりはやかは、温州みかんとポンカンの交配によって作られた柑橘類です。
一般的なポンカンよりも早く収穫できる早生種で、「早生ポンカン」とも呼ばれています。

２.特徴

はやかは、ポンカンに似た香りの良さと温州みかんのジューシーさを兼ね備えています。
両親である温州みかんとポンカンそれぞれの優れた特徴を受け継いでいます。

温州みかんより大きめで、種がありますが、甘く香り高いです。
果皮表面は柑橘類の果皮に見られる小さな点々（油胞）が突出しており、
温州みかんとは異なった触感をもっています。
果皮は非常に薄く、手で容易に剥くことができます。種子の数はポンカンと同様に多く含まれています。
成熟期は12月上中旬で、甘味を強く感じる食味の良い品種です。
はやかは生産者と消費者の双方にとって魅力的な柑橘と言えます。

今後、さらに栽培技術が進歩することで、より多くの地域で生産される可能性を秘めていると考えられます。

主要特徴

収穫時期：一般的なポンカンより早く、12月上中旬。
果実の形：140～150gの扁円形。
果皮：薄く剥きやすいが、表面は油胞が大きく滑らかではない。
果肉：温州みかんよりしっかりした粒感で、糖度が高く、酸味が少ない。
種子：ひと房に1～2つ含まれる。
食べやすさ：皮が薄く手で簡単に剥ける。白い綿の部分がやや多い。

味や香り

香りはポンカンに似た爽やかな香りが特徴的で、果肉はパリパリとした食感で
温州みかんより粒感があり食感が良いです。
内皮が薄いため一緒に食べることができ、外皮を剥く際には白い綿の部分が多く見られます。

はやかは、一般的なポンカンより早く収穫でき、糖度が高く酸味が少ないため、甘く感じられます。
確かに酸味が少なく甘い印象ですが、濃厚さはなく、いつでも気軽に食べられる味わいです。
香りは強く、糖度13度以上、酸度は0.8%程度で甘味と酸味のバランスが絶妙です。
薄くて剥きやすい果皮は食べやすく、甘さと香りが魅力的な品種です。

見た目

はやかは、温州みかんとポンカンを交配して作られた柑橘類で、
果実の大きさは温州みかんより少し大きく、外見や形はポンカンと温州みかんの中間的な見た目です。

はやかの果実は140～150gの扁円形で、果皮は薄く剥きやすいですが、表面には大きな油胞があり、
温州みかんのようにつるつると滑らかではありません。果皮の色は鮮やかな橙色で、
ポンカンを思わせる芳香が特徴的です。果芯部分には大きな空洞があります。
種は、ひと房に1～2つ含まれます。

３.はやかの名前の由来

はやか」という名前は、外皮が黄色くなる前にポンカンから引き継いだ良い香りを放つことに由来しているようです。
“早い”を長崎弁で“はやか”と言うので、方言も関係しているのかもしれません。
1989年に「早香（はやか）」と命名され、農林水産省の育成農作物新品種として
「みかん農林6号」に認定されました。さらに、1990年には品種登録もされています。

４.収穫時期・食べごろ旬の時期

早香の成熟期は長崎県口之津で12月上中旬とされており、収穫は12月中旬から始まります。
成熟期は「今村温州」より早く、完全に着色するのは12月中・下旬頃です。
市場には1月まで出回ります。旬は12月中旬から1月下旬までです。

５.流通

はやかは、特に宮崎県、三重県、鹿児島県、熊本県、長崎県で生産されています。
収穫時期は12月上旬から中旬で、市場には1月まで出回ることが多いです。

６.栽培方法

はやかの樹勢はやや強く、豊産性が高いため安定した収穫が見込めます。果皮と果肉が分離しにくく、
収穫期に「す上がり」現象（果実が樹上で劣化すること）がほとんど見られないことから、栽培管理が比較的容易です。
また、病害虫の発生や結実性にも問題が少ないです。
農研機構が開発した品種で、みかんの栽培が可能な地域であればどこでも栽培可能になります。

果肉の成熟に比べ果皮の着色が遅れるため収穫後に着色促進のための方策が必要となります。
また、条件により種子数の多さが問題となるようです。
はやかは、容易な収穫性と優れた果実品質を両立した、栽培しやすい柑橘品種と言えます。
高い糖度と爽やかな酸味、そしてポンカンを思わせる上品な香りは、多くの消費者に好まれます。

７.栄養成分

はやかは、糖度が高く酸度が低いため、甘くてジューシーな果実です。
おおよその栄養成分は以下の通りです。

はやかの栄養素については、一般的な柑橘類と同様にビタミンやミネラルが豊富です。
具体的には、ビタミンC、食物繊維、カリウム、水分が豊富ですよ。

ビタミンCは抗酸化作用、食物繊維は健康的な腸の機能のサポート、
カリウムは血圧を調整し心臓の健康をサポートするのに役立ちます。
はやかは、ポンカンの香りと温州ミカンのジューシーさを兼ね備えており、
健康に良い食品と言えますね。健康的な食事に取り入れるのにぴったりです。

８.おいしい食べ方と保存方法

はやかの外皮は薄く、手で簡単に剥くことができます。
内皮も薄いため一緒に食べることが可能ですが、種が含まれているため食べる際には注意が必要です。

はやかのおいしい食べ方や保存方法をご紹介します。

おいしい食べ方

■そのまま食べる：はやかはそのまま食べるのが一番シンプルでおいしいです。
　　　　　　　　　果皮が薄く手で簡単に剥けるため、手軽に楽しめます。

■デザートに使用：サラダやヨーグルトに入れると、甘さと爽やかな香りが加わり、一層おいしくなります。
　　　　　　　　　フルーツパフェやフルーツゼリーなど、デザートとしてアレンジするのもおすすめです。
　　　　　　　　　ゼリーは砂糖を使わなくても甘く作ることができ、健康的なデザートになります。

■ジュースやスムージー：はやかを絞って新鮮なジュースにするか、他のフルーツと合わせてスムージーにすることで、
　　　　　　　　　　　　ビタミンC豊富な飲み物が楽しめます。

■皮を使った料理：皮を使ってマーマレードや柚子茶のようにすることもできます。
　　　　　　　　　皮には香りが豊かで、料理やお菓子に風味を加えます。

保存方法

糖度が高く酸味が少ないため、そのまま食べても美味しい品種ですが、皮が薄いことから日持ちしません。
そのため、早めに食べるか、ゼリーやマーマレードなどのように加工したレシピにするのも良いでしょう。

■常温保存：早香は日持ちがしないため、なるべく涼しい場所で保存し、一週間を目安に食べてください。

■冷蔵保存：長期保存を希望する場合は、冷蔵庫の野菜室で保存してください。
　　　　　　乾燥を防ぐため、ポリ袋に入れるか新聞紙で包んで保管すると良いです。

■冷凍保存：皮を剥いて果肉を小分けにし、冷凍保存用の袋に入れて冷凍します。
　　　　　　スムージーやデザートの材料として使用できます。