甘いデコポンの見分け方 簡単なチェックポイントや美味しく食べる工夫
冬から春にかけて、柑橘類が出回るシーズンです。
柑橘類にはそれぞれの品種ごとに個性と魅力がありますが、
中でもジューシーで甘みが強いデコポンは人気の品種といえるでしょう。
今回は、甘いデコポンの見分け方として、簡単なチェックポイントやコツを紹介します。
覚えておくと、より甘くておいしいデコポンを口にできるようになりますよ。
■目次
1.デコポンとは
2.甘いデコポンの見分け方4つ
3.避けたいデコポンの特徴はこれ
4.甘いデコポンを食べる工夫
5.伊藤農園での柑橘の取り扱い
6.関連記事
上記、テキストをクリックすると項目にジャンプします。
1.デコポンとは

はじめに、デコポンとはどういった柑橘類かについて簡単に紹介します。
・デコポンの特徴
・デコポンと不知火(しらぬい)の関係
・デコポンの栄養価
・デコポンの旬の時期
順番に見ていきましょう。
デコポンの特徴
デコポンは、果実の上部にボコッと膨らんだヘタ(「デコ」)があり、形に特徴のある柑橘類です。
皮は厚く固そうにみえますが、実は手で剥きやすく、薄皮(じょうのう)ごと食べられます。
サイズは温州みかんより一回りも二回りも大きく、重量は約200~300g程度です。
デコポンは、糖度が13度以上でなおかつ酸度が1%以下という厳しい品質基準を満たしています。
このため、デコポンは非常に甘く、酸味が少ないのが特徴です。
さらに、果汁が多くジューシーで種もほとんどなく、手軽に食べられるため人気があります。
「甘くてみずみずしい柑橘が好み」「すっぱいのは苦手・・・」という方には、デコポンがぴったりでしょう。
好む人が多いことから、贈答用にも多く選ばれています。
デコポンと不知火(しらぬい)の関係
デコポンとは、不知火(しらぬい)という品種の一部の名称であり、JA熊本果実連(熊本県果実農業協同組合連合会)が
商標権を所有しています。
不知火の中で「糖度13度以上、酸味1%以下」という全国統一基準を満たし、
さらにJAを通して出荷した不知火だけがデコポンと名乗れるのです。
13度以上の糖度で酸味が1%以下であっても、JAを通さず出荷している不知火は、デコポンとは名乗れません。
ちなみに、不知火は日本生まれ。1972年に「清見」と「ポンカン」の交配品種として開発されました。
デコポンは「清美」がもつ甘みと酸味のバランスのよさ、
「ポンカン」のもつ強い甘みやジューシーさを受け継いでいるのです。
不知火やデコポンは、熊本県をはじめ、和歌山県や愛媛県など気候の温暖な地域で多く栽培されています。
デコポンの栄養価
デコポンにはビタミンCが豊富に含まれており、1つ食べるとほぼ成人1日分のビタミンC必要量(100mg)を摂取できます。
ビタミンCは免疫力を高め、風邪や感染症の予防に効果的です。
また、がん予防の効果が期待されるβ-クリプトキサンチンも豊富です。
デコポンは房ごと食べられるため、たくさんの食物繊維も無理なく摂取できます。
整腸効果も期待できますね。
デコポンは「美味しく食べながら元気になれる」果物なんです。
デコポンの旬の時期
デコポンは例年2月中旬から3月にかけて収穫され、その後、1~3週間程度の貯蔵期間を経て出荷されます。
貯蔵させて酸を減らし甘みを引き出してから出荷するのです。
2月下旬から4月頃にかけて、春の訪れを感じられるころに出回るということですね。
12月頃に出回っているデコポンは、ハウス栽培されたものです。
2.甘いデコポンの見分け方4つ

すべてのデコポンが基準により糖度13度をクリアしています。
基本的には、デコポンとして販売されているだけで甘さは保証されているといえるでしょう。
その中でもさらに甘いデコポンの見分け方を4つ紹介します。
・皮にハリとツヤがある
・色が濃くムラがない
・ずっしりと重みがある
・ヘタ(デコ)の膨らみや形は気にしなくていい
順番に説明していきます。
皮のハリとツヤがある
表面にツヤがあり、ハリがあるデコポンは甘いです。
皮がピンと張っていて、ツヤツヤしているデコポンを選ぶと良いでしょう。
また、皮に乾燥からくるしわがないもの、なめらかでキメが細かいものを選んでください。
皮は固いよりもある程度柔らかい方が、甘い傾向があるといわれています。
色が濃くムラがない
オレンジ色が濃く色にムラがないことも、デコポンの甘さのサインです。
鮮やかなオレンジ色をしていてくすみが少ないデコポンは、
完熟していて甘い傾向があります。
ずっしり重みがある
手に持ったときにずっしりと重く感じられるデコポンも甘いです。
ずっしりとした重みがあるものは、果汁が多くジューシーな証拠なのです。
同程度のサイズを手に取って比較するときは、
重量感があるほうを選ぶとよいでしょう。
ヘタ(デコ)の膨らみや形は気にしなくていい
デコポンのヘタ(デコ)部分が膨らんでいるかどうかは、味わいには直接的な影響を与えないとされています。
ヘタ(デコ)は、発芽から開花期まで昼夜の温度差が大きい場合や、
若くて樹勢の強い木に大きくなる傾向があり、甘さや大きさには関係ありません。
ヘタの形状も栽培状況によるもののため、甘さには関係しないといわれています。
3.避けたいデコポンの特徴はこれ
甘いデコポンを見分けるポイントは「皮にハリとツヤがある」「色が濃くムラがない」「重みがある」ことを紹介しました。
とはいえ、それだけではわかりにくいと感じる人もいるのではないでしょうか。
そこで、避けたほうがいいデコポンの特徴もお伝えします。
避けるべきポイントを3点紹介するので、デコポン購入時の参考にしてください。
・色ムラがある
・ブヨブヨしていてハリがない
・価格が相場より安い
順番に見ていきましょう。
色ムラがある
皮に色ムラがあったり色合いが薄いものは、甘さが弱い傾向があります。
ブヨブヨしていてハリがない
皮の触感がブヨブヨしていて、触ってもハリを感じられないものは、甘みが少ないとされています。
価格が相場より安い
相場よりも安い価格で販売されているデコポンの中には、未熟であったり旬を過ぎていたり、
または、なにかしらの難があったりする可能性があります。
甘みが少ない可能性も考えられます。
4. 甘いデコポンを食べる工夫

デコポン自体がそもそも甘くて美味しい柑橘類といえるのですが、より甘くいただけるように、購入方法や購入後の管理のコツを4つ紹介します。
・産地直送品を購入する
・糖度センサーで15度以上のものを購入する
・購入後に追熟させる
・乾燥対策をして美味しさをキープする
詳しく解説していきます。
産地直送品を購入する
甘くて美味しい食べ頃のデコポンを口にしたいのであれば、
農家や産地から直送されるものがベストといえるでしょう。
スーパーに並んでいるデコポンは、出荷から店頭に並ぶまで数日かかることがあります。
逆に、食べ頃を過ぎてしまい十分甘くないデコポンも販売されているかもしれません。
信頼できる農家や産地から直送されたデコポンであれば、間違いがありません。
糖度センサーで15度以上のものを購入する
すべてのデコポンが糖度13度以上という基準を満たしていますが、
さらに甘みを感じられるのは糖度15度以上だともいわれています。
生産者や販売者の取組みによって糖度が測られていることがあります。
糖度15度以上と表示されたものの甘みは間違いありません。
とびきり甘いデコポンを口にしたい人は、ぜひ糖度センサーによる測定数値も参考にしてみてください。
購入後に追熟させる
デコポンに酸味を感じるようであれば、直射日光の当たらない風通しのよい場所で数日間寝かせておくとよいでしょう。
酸が抜け、追熟して甘みが増します。
寒い季節なら常温、温かくなってきたら冷蔵庫の野菜室での保存がおすすめです。
5℃以上10℃以下での保存が理想とされています。
また、まだ酸味を感じるとはいえ今すぐデコポンを食べたい場合は、皮の上からもんで刺激を与えるか、
電子レンジで30秒ほど加熱するとよいといわれています。
乾燥対策をして美味しさをキープする
デコポンを長く甘い状態で楽しむには、乾燥対策が欠かせません。
乾燥を防ぐため、ラップに包んだりビニール袋に入れたりして保存するのがおすすめです。