「じゃばらってどんな果物?」気になる果実を徹底解剖!
じゃばらという果実を聞いたことはあっても、実際に見たことがなかったり、
加工品でしか味を知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
扱いにくいイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。
今回はじゃばらの果物について、あらゆる角度から分析してみました。
1.じゃばらって何?
2.じゃばらは北山村でしか取れないの?
3.じゃばらの果実の特徴は?
4.じゃばらは花粉症に効果アリ?!
5.じゃばらはどこで買えるの?
6.じゃばらの保存方法
7.じゃばらのおいしい食べ方
8.伊藤農園での柑橘の取り扱い
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1.じゃばらって何?
じゃばらは、和歌山県の北山村で栽培されている柑橘類です。
北山村は、三重県と奈良県に囲まれており、和歌山県の他の地域とは直接つながっていない日本で唯一、
県内に孤立して存在する飛び地の自治体です。
そんな北山村に建つ民家の裏庭に、1本だけ自生した柑橘類が成る木がありました。
「へんなみかんが育つ。でもそれが独特の味で美味い」と原木の持ち主が広めようとしたことをきっかけに、
じゃばらの栽培が始まりました。
昭和47年に、じゃばらはこれまで存在していない新しい品種であることが判明し、
じゃばらの栽培は村を挙げてのものへと変わりました。
今では、全国区で名の知れた特産品となっています。
じゃばらといったユニークな名前の由来は、「邪(じゃ)を払(ばら)う」という意味から来ています。
じゃばらの果実の酸っぱさは、思わず鬼も逃げ出すほどだと囁かれ、この名が付けられたそうです。
2.じゃばらは北山村でしか取れないの?
じゃばらの生産量の大部分を北山村および和歌山県が占めており、全国生産量の70%を
担っていると推測されます。
ですが、近年他の地域での生産にも取り組まれ、三重県、奈良県、愛媛県と県を超えて、
北山村以外でもじゃばらを生産しようという試みが始まっています。
それでも、まだ和歌山県以外での生産量は全体の30%程度と推測され、これからの発展に期待が寄せられます。
北山村以外で栽培されるじゃばらも、基本的には同じ品種ですが、
風味や香りには微妙な違いが出ることがあります。
例えば、和歌山県南部で栽培されるじゃばらは、北山村のものに比べて
若干甘みが強い傾向があります。
一方、他の県で栽培されるじゃばらは、その地域特有の気候条件により、
酸味が強いなどの特徴があるようです。
このように、生産される地域ごとの気候や土壌の違いによって味も変わってくるので、
オリジナルのじゃばらとは味が少し離れていってしまうことも考えられます。
北山村は、気候や土壌がじゃばらの栽培に適しているため、
品質の高いじゃばらが生産されると言われています。
3.じゃばらの果実の特徴は?
では、じゃばらの果実の特徴も見ていきましょう。
〇じゃばらの見た目の特徴
じゃばらの果実は、1個当たりの重さは100g~150gほどで、表面は滑らかで光沢があります。
果皮の色は熟すと鮮やかなオレンジ色になりますが、未熟な状態では緑色です。
果肉はジューシーで、内部にはほぼ種はありません。
じゃばらは、ユズやダイダイ、カボスの仲間の柑橘類ですが、
果実が柔らかく搾りやすいのも特徴です。
〇香りや風味の特徴
北山村で獲れるじゃばらは、「にがうま」と称される独特の風味があります。
鬼も逃げ出すと例えられたぐらいの個性的な味わいです。
一口かじると、青さを感じさせる柑橘系の苦みと強めの酸味が口の中に広がり、
初めて食べる方は驚かれると思います。
続いて柑橘類特有の爽やかな風味が感じられ、他の柑橘類にはない味に
ハマってしまう方も少なくないのです。
ただし、作られる場所によってじゃばらの味も異なり、同じ和歌山県でも
「北山じゃばら」と「南紀じゃばら」に分けられています。
北山村で作られる「北山じゃばら」は特に苦みや酸味が強く、
そのままかじって食べるにはあまり向いていません。
一方、和歌山県の北山村以外の地域で作られている「南紀じゃばら」は、
酸味と甘みのバランスが取れているので、そのまま食べることも可能です。
酸っぱい、苦いというイメージの強いじゃばらですが、
実は糖度はユズよりも高くなっています。
とはいえ、子どもよりは大人の方に好まれる柑橘類と考えて問題ないでしょう。
4.じゃばらは花粉症に効果アリ?!
じゃばらが花粉症に効くという話を聞いたことはありませんか?
花粉症の時期になると、じゃばらの果汁を使って作られたのど飴がコンビニなどでも
並んでいるのを見かけたりします。
お土産として販売されているのではなく、一般のお店に並べられているぐらい効果が
期待されている証拠でしょう。
じゃばらには、「ナリルチン」というフラボノイド成分の一種が豊富に含まれ、
抗アレルギー作用、抗酸化作用、抗炎症作用などの効果があることが分かっています。
これらの作用で、花粉症の症状の軽減だけでなく、アトピー性皮膚炎、気管支喘息など
Ⅰ型アレルギーと言われる症状に対する抑制効果があると言われています。
ナリルチンは、グレープフルーツなど、他の柑橘にも含まれていますが、
群を抜いてじゃばらの含有量が多いそうです。
〇その他のじゃばらの健康効果
じゃばらは、「ナリルチン」だけでなく、他にもビタミンCをはじめとする
多くの栄養成分が含まれています。
ビタミンC・B1・B2が豊富でカロチンも含まれているので、
風邪予防や美肌効果などにも効果が期待できます。
5.じゃばらはどこで買えるの?
じゃばらは、獲れる場所が限られているので、なかなか近くのスーパーには並ばない果物です。
ジュースや飴などの加工品は比較的入手しやすいですが、生の果実を買いたい場合は、
オンラインショップなどでお買い求め頂くことになります。
じゃばらの収穫時期は、一般的に11月から1月にかけてとなるので、
その時期ならオンラインショップでも販売されていることが期待できます。
旬の時期に収穫されるじゃばらは、果肉も厚く、ジューシーでおいしいので、
販売されているのを見かけたら是非手に取ってみてはいかがでしょうか。
6.じゃばらの保存方法
じゃばらをおいしく味わえる期間は、収穫直後から2週間ほど経った頃です。
収穫直後に食べると、じゃばら特有の苦みが際立ってしまいますが、
収穫から2週間ほど経つと果実の酸味と甘味が絶妙なバランスとなりおいしく味わえます。
食べごろの見極め方は、果皮が鮮やかなオレンジ色になり、
果肉がしっかりとしている状態が理想です。
冷暗所で3ヶ月保存でき、貯蔵しても果汁の減少率は少なく皮まで有効に使えるので、
料理の風味づけやジュースなどに活用してみてください。
7.じゃばらのおいしい食べ方
じゃばらはそのまま食べることもできますが、その苦みや酸っぱさでみかんのように食べることは難しいです。
自宅で簡単においしく味わう方法は、料理のアクセントに使ったり、ジュースやお酒に加える方法です。
いくつか例を挙げていきます。
〇ジュースにする場合
じゃばらの果汁を絞って、水や砂糖で割って飲むと爽やかな風味が楽しめます。
ラッシー風に牛乳で割ってもおいしいですよ!
分量は牛乳100ccに、じゃばら果汁小さじ2杯、はちみつ小さじ1杯ぐらい
を目安にしてください。
〇料理に加える場合
料理にじゃばらを使う場合、お肉や魚料理に果汁を振りかけたり、
ぽん酢に果汁を入れてお鍋の具材を食べて頂くなどの方法があります。
じゃばらの独特の風味が食材の風味を一層引き立たせます。
〇ジャムに加工する場合
果肉を細かく刻み、砂糖と一緒に煮詰めれば、おいしいジャムを簡単に作ることが可能です。
ジャムにすることで、苦みや酸味が和らぐので、どなたさまでも食べやすくなります。
パンやヨーグルトにつけて食べてみてください。